2026年7月29日
グラフの移動は暗記しない!点の移動で考える方法【高校数学の基本シリーズ】
こんにちは、講師の伊藤です。
今回は、高校数学Ⅰ「二次関数」のグラフの移動について解説します。
「右に3なら (x-3)、左に3なら (x+3)」
このように覚えているものの、「どっちだったっけ?」と迷った経験はありませんか?
その原因は、「式」を覚えようとしていることにあります。
今回は、公式を丸暗記せずに、グラフの移動を理解する考え方を紹介します。
問題
今回も例題を用意しましたので少し考えてみてください。

もし「どっちだったっけ」と迷ったなら、それは暗記不足の問題ではありません。覚え方を少し変えるだけで、グラフの移動を間違えないようになります
ポイント① 点の移動を考える
グラフの移動で大切なのは、式そのものの変形ではなく、グラフ上の点の移動を考えることです。
例えばグラフ上のを右にだけ移動するとになります。
それがどうした、と思うかもしれませんが、このような点の移動を考えることが、グラフの移動を理解する一番のポイントになります。これがどう式の形につながるのか、次のポイントで確認しましょう。
ポイント② 文字を置換する
グラフの移動は、式では文字の置換として表すことができます。
例えば、$$y=x^2$$のグラフを右に だけ移動することを考えます。
グラフの移動は、グラフ上の点の移動として考えるのでしたね。
もとのグラフ上の点$$(a,b)$$は、右に 移動すると$$(a+c,b)$$へ移動します。
ここで、移動後の 座標を とおくと、$$a+c = Xとなります。
つまり、移動前の 座標 は、移動後の座標 に対して$$a = X-c$$と表すことができます。
このことから、移動後のグラフでは、もとの式の の部分を$$X-c$$に置き換えればよいことが分かります。
もとの式$$y=x^2$$に$$x=X-c$$を代入すると、$$y=(X-c)^2$$となります。
最後に、この を改めて と書き直すと、$$y=(x-c)^2$$となり、右に 移動したグラフの式が完成します。
このように、グラフの移動は「点がどこへ移動するか」を考え、その結果を文字の置換として式に反映することで求めることができます。
ポイント③ 二次関数以外でも使える
例えば、 のグラフを 軸対称に移動すると考えます。
もとのグラフ上の点$$(a,f(a))$$は、 軸対称に移動すると$$(-a,f(a))$$へ移ります。
つまり、移動後のグラフでは「 座標の符号が反対になる」ことがわかります。
そのため、式では$$x \rightarrow -x$$と置換すればよく、$$y = f(-x)$$が 軸対称に移動した後のグラフの式になります。
このように、文字の置換は単なる式変形ではなく、グラフ上の点の移動を表していると考えることが大切です。
コネクトでは
ネクトでは、公式を覚えて問題を解くだけではなく、式の変化とグラフの変化を結びつけて理解することを大切にしています。
グラフの移動の考え方は、後に学ぶ関数の対称性にもつながります。
例えば、$$f(x) = f(-x)$$なら 軸対称(偶関数)、$$f(x) = -f(-x)$$なら原点対称(奇関数)になると考えられます。
「 を見たら 軸対称」
「 を見たら 軸対称」
のイメージができるようになると、問題に対するイメージが深まります。
まとめ
グラフの移動を考えるときに大切なのは、グラフそのものではなく、グラフ上の点がどこへ移動するかを考えることです。
点の移動が分かれば、その変化は式では「文字の置換」として表すことができます。
例えば、$$y=f(x)$$ のグラフを 軸対称に移動すると、点の座標の符号が反対になるため、
$$x \rightarrow -x$$
と置換して、
$$y = f(-x)$$
と表すことができます。
この考え方は二次関数だけでなく、指数関数や三角関数など、あらゆる関数で利用できます。
式の変化を見たときに「これはグラフがどのように動いたのか」とイメージできるようになると、関数分野の理解はさらに深まっていきます。
コネクトでは、高校数学を専門に、一人ひとりの課題に合わせた個別指導を行っています。
「公式が覚えられない」「数学の勉強方法がわからない」という方は、お気軽にお問い合わせください。
答え
1-(1)$$y=3(x-3)^2$$
1-(2)$$y = 3(x-2)^2-1$$
2-(1)$$y=-x^2-2$$
2-(2)$$y=x^2+2$$
2-(3)$$y=-x^2-2$$